根管治療

30代男性

右下奥歯の痛みで来院されました。

右下7番の被せ物と歯の間に虫歯があり、根尖病変が認められました。

f:id:hashimoto-g-shika:20191020233810p:plain

術前レントゲン

被せ物を外したところ、内部で虫歯がかなり進行していました。

残っている歯が少なく、長持ちすることは期待できませんが、患者さんと相談し、抜歯せずに残していく事になりました。

f:id:hashimoto-g-shika:20191020233852p:plain

虫歯除去後

唾液を排除するためにプラスチックで隔壁を立てて、ラバーダムを装着し根管内の消毒を行なっていきます。古くなった薬や汚れをマイクロスコープで確認しながら除去していきます。

f:id:hashimoto-g-shika:20191020233911p:plain

根管治療中

 

f:id:hashimoto-g-shika:20191020233932p:plain

根管充填後

今後、仮歯で様子を見て最終的な被せ物を作製していきます。

 

今回は抜歯をせずに歯を残す事にしましたが、長持ちしないから、抜歯してインプラントにするという選択肢もあります。どの治療法にもメリットとデメリットがあり、どれが一番良いかは患者さんごとに違います。重要なのは、それぞれの治療のメリットとデメリットをきちんと説明し、患者さんに希望する治療を選んで頂くことだと考えています。

 

hashimoto-g-shika.com

前歯の変色に対する治療

30代女性

右上前歯の変色が気になるということで来院されました。

10年以上前に神経の治療を行なったそうです。

f:id:hashimoto-g-shika:20191014162302p:plain

 

f:id:hashimoto-g-shika:20191014162322p:plain

レントゲンで、根の先に病変はありませんが、根管に詰めてある薬が隙間があるようにも見えるので、根の治療からやり直す事にしました。

f:id:hashimoto-g-shika:20191014163648p:plain

根管治療後

根管治療後に歯の漂白(ウォーキングブリーチ)を行いました。歯頚部の変色が強く、通常よりも回数はかかりましたが、1ヶ月半程度で隣と同程度まで白くなりました。

f:id:hashimoto-g-shika:20191014164104p:plain

 歯の変色の治療は、削って被せ物にする方法もありますが、今回はできるだけ自分の歯を削らずに残す方法を選択しました。
 歯質が薄くなっている部分もあり、将来歯が大きく欠けたりした場合には削って被せ物にしますと説明しています。

 歯が重なっている部分は虫歯や歯周病になるリスクが高いため、矯正治療で歯並びも綺麗に治すことを提案させていただきました。

f:id:hashimoto-g-shika:20191014164146p:plain

 

 ウォーキングブリーチ:3万円 / 本

注意点:漂白の効果には個人差があります。効果が十分に得られない場合は削る治療を選択する場合もあります。経年的に、歯の色が後戻りする傾向があります。

hashimoto-g-shika.com

 

ダイレクトボンディング

30代女性

左下456番の間に虫歯がありました。

f:id:hashimoto-g-shika:20190924005111p:plain

患者さんは、白い詰め物を希望されました。

セラミックインレーで修復する方法もありますが、できるだけ歯を削りたくないとのことで、ダイレクトボンディングを行うことにしました。

 

 

f:id:hashimoto-g-shika:20190924005127p:plain

唾液や湿度から治療部位を保護するため、ラバーダム防湿を行い充填していきます。

虫歯を確実に取り除きつつ、歯を削る量は最小限を目指します。

f:id:hashimoto-g-shika:20190924005148p:plain

虫歯を除去後、できるだけ段差のないように充填していきます。

f:id:hashimoto-g-shika:20190924005213p:plain

5番遠心充填後

f:id:hashimoto-g-shika:20190924005302p:plain

術後

f:id:hashimoto-g-shika:20190924005343p:plain

術前、術後の比較

セラミックよりも削る量を少なく、セラミックと同じくらい綺麗に治療できたと思います。

 

歯は治療できる回数に制限があります。数回治療を行うと神経を取らないといけなくなり、さらに数回治療を行うと抜歯になってしまいます。

 

できるだけ自分の歯を削らずに、精度の高い治療を行うことが歯を長持ちさせるために重要だと考えています。

 

※ダイレクトボンディングは保険適応外治療です。

2〜5万円/本(充填する範囲や、隣接面を含むかどうかで費用が異なります。)

 

<セラミックインレーと比較した利点>

・歯を削る量が少ない

・1回の治療で詰めることができる(後日、研磨に来院していただく必要があります)

 

<欠点>

・長い時間(30〜60分程度)口を開けている必要があります(開口を補助する器具を使います)。

・経年的に変色、着色が生じます。

 

hashimoto-g-shika.comボンで

できるだけ歯を抜かない治療(歯冠長延長術)

40代男性

初診時、左下奥歯の被せ物の下で虫歯が進行していました。

f:id:hashimoto-g-shika:20190909222319p:plain

初診時レントゲン

被せ物を外すと、内部で虫歯がかなり進行しており、残っている歯は歯茎の中に埋もれている状態でした。

f:id:hashimoto-g-shika:20190908225715p:plain

通常、この様な状態では歯を残すことができないので、抜歯を選択します。今回も抜歯を提案致しましたが、患者さんから何とか残したいという希望があり、「歯冠長延長術(クラウンレングス二ング)」という方法を提案させて頂きました。

 

歯茎を切開、剥離して健康な歯質が確保できるまで周囲の骨を削合します。

f:id:hashimoto-g-shika:20190908225743p:plain

縫合します。

f:id:hashimoto-g-shika:20190908225801p:plain

歯茎の治癒を待つ間に根管治療を行いました(3ヶ月程度治癒を待ちます)。

通常、歯冠長延長術の前に根管治療を行いますが、今回は虫歯が深すぎて術前に根管治療を行える状態ではなかったため、術後に行いました。

f:id:hashimoto-g-shika:20190909222403p:plain

根管治療後

 術後約3ヶ月で歯肉の状態は完璧とは言えませんが、何とか被せ物を作製できる状態まできました。

f:id:hashimoto-g-shika:20190908225829p:plain

 

f:id:hashimoto-g-shika:20190909222429p:plain

治療終了時

根の先に病変もあり、経過観察が必要です。

今回のケースでは、抜歯をしてインプラントにするのが理想的かもしれません。しかし、様々な理由でインプラント治療が行えない場合や入れ歯にしたくない場合は、この様にできるだけ自分の歯を残す治療もあります。

 

<注意点>

今回のケースは残存歯質が少なく、長持ちは期待できません。患者さんには目標2年、5年持てばラッキーくらいに考えてくださいと説明し、了承していただいた上で処置を行っています。

早期に(数ヶ月程度で)歯の破折などにより、抜歯となる可能性があります。その場合、治療にかけた費用と期間が無駄になる可能性があります。

※歯冠長延長術は保険適応外治療です(4〜8万円、本数・部位により費用が異なります)。

 

橋本グリーン歯科では、できるだけ自分の歯を長く使える様な治療を心がけています。歯のことでお困りの場合はぜひ一度ご相談ください。

ダイレクトボンディング

20代女性

奥歯の詰め物が古くなったので、きれいにしたいと来院されました。

ダイレクトボンディングという治療法で、出来るだけ天然歯に近づけるように治療を行いました。

f:id:hashimoto-g-shika:20190825185208p:plain

唾液や呼気を排除するために、ラバーダム防湿を行い充填していきます(出来るだけ乾燥した状態で充填した方が、変色や歯との境目の着色が起きにくいです)。

f:id:hashimoto-g-shika:20190825185223p:plain

f:id:hashimoto-g-shika:20190825185241p:plain

術前術後の比較

セラミックより歯を削らずに、セラミックと同じくらいきれいに治療することを目指しています。

 

※ダイレクトボンディングは保険適応外治療です。

2〜5万円/本(充填する範囲や、隣接面を含むかどうかで費用が異なります。)

前歯の隙間(正中離開)の治療

20代女性

上の前歯の隙間が気になる

f:id:hashimoto-g-shika:20190817232746p:plainf:id:hashimoto-g-shika:20190817232829p:plain

このような場合、治療の選択肢としては以下のものが考えられます。

①矯正治療で歯並びを改善する

②歯の表面を削って、セラミックの板を貼り付ける(ラミネートベニア)

③歯を一周削ってセラミックの被せ物をいれる

④歯を削らずにプラスチックを充填する(ダイレクトボンディング)

 

今回は矯正は希望されず、できるだけ歯を削りたくないとの希望で、ダイレクトボンディングを行うことになりました。

口腔内写真と歯の模型で充填のシュミレーションを行います。仕上がりを左右対称にすることがポイントです。どちらの歯にどのくらい充填するかを事前に検討します。

f:id:hashimoto-g-shika:20190817232804p:plain

ラバーダム防湿を行い充填していきます。ラバーダムが歯肉を圧排する効果があり、充填後にラバーダムを除去すると歯肉とピッタリ合います(ラバーダム無しで充填すると出血や滲出液が混ざり、精密に充填できません)。

f:id:hashimoto-g-shika:20190817232928p:plain

術中

 

歯を削ることなく、前歯の隙間を埋めることができ、患者さんにも満足していただけました。

歯は一度削ってしまうと二度と元には戻せません。橋本グリーン歯科では、出来るだけ削らない治療をオススメしております。

f:id:hashimoto-g-shika:20190817233002p:plain

術前術後の比較

ダイレクトボンディング:4〜6万円 /本

 

利点:歯を削らない。1回の治療で隙間を埋めることができる(後日、仕上げ研摩に来院して頂く必要があります)

 

欠点:セラミックに比べ将来的に着色、変色しやすい。欠ける可能性がある。

 

神経の保存と、できるだけ削らない治療

20代女性

右上の奥歯に大きな虫歯がありました。

f:id:hashimoto-g-shika:20190812005213p:plain

虫歯除去途中

虫歯を除去したところ、歯の神経が一部露出しました。

f:id:hashimoto-g-shika:20190812005246p:plain

虫歯除去後

消毒を行い、MTAセメントにて神経を保護しました。

その後、プラスチックで充填しました(ダイレクトボンディングといいます)

f:id:hashimoto-g-shika:20190812005310p:plain

MTA、ダイレクトボンディング

術後2年経過しましたが、特に症状もなく神経が生きているかどうかの検査には正常に反応します。

MTAの成分により、若干歯の色が暗くなっているようにも見えます。現在は歯の変色が起こりにくいMTAセメントを使用しています。

f:id:hashimoto-g-shika:20190812005351p:plain

術後2年

今後も神経の状態を定期的にチェックしていく必要があります。

 

※MTAセメントによる神経の保存、ダイレクトボンディングは保険適応外です。

費用:4万〜7万円

 

デメリット:

100%神経が残せるとは限りません。

治療後に痛みが出たり、歯の神経が死んでしまった場合は、神経の治療が必要となります。その際は別途費用がかかります。