歯の漂白(ウォーキングブリーチ)②
20代女性
左上犬歯の色が気になると来院されました。
診査の結果、歯の神経が死んでしまっており、それが原因で歯の変色が起きていることが分かりました。
神経の治療を行い、歯の内部から漂白(ウォーキングブリーチ)を行うことにしました。
約3週間で右側と同程度まで白くなりました。
ウォーキングブリーチ:3万円
※効果には個人差があります。経年的に歯の色が後戻りすることがあります。
歯の漂白(ウォーキングブリーチ)
20代女性
右上側切歯の変色が気になるということで来院されました。
他の歯科医院を受診したところ、削ってセラミックの被せ物にしましょうと言われたとのことでした。
数年前に神経の治療を行い、最近歯の変色が気になってきたそうです。
診査の結果、表面の歯質も十分残存しているため被せ物ではなく、歯の内部からの漂白(ウォーキングブリーチといいます)を行うことにしました。
まず、神経の治療をやり直します。
古い詰物を外したところ、本来の根管とは違う方向に削られている部分がありましたが、幸い穴は空いていませんでした。
本来の根管を先端まで消毒して根管充填を行いました。
根管充填後、歯の中に漂白の薬を入れて1週間ごとに薬を交換していきます。
約2週間で左の側切歯と同程度まで白くなりました。
裏側の削った部分をプラスチックで埋めて治療終了です。
自分の歯を削らずに治療できたことで、患者さんにも満足していただけました。
歯質が薄くなっている部分もあり、将来歯が大きく欠けたりした場合には削って被せ物にしますと説明しています。
基本的に、自分の歯はできるだけ削らないほうが長持ちします。大きく削ってかぶせるのは最終手段に取っておいた方が良いと考えています。
ウォーキングブリーチ:3万円
注意点:漂白の効果には個人差があります。効果が十分に得られない場合は削る治療を選択する場合もあります。経年的に、歯の色が後戻りする傾向があります。
できるだけ歯を抜かない治療
40代女性
左下第二大臼歯の痛みで来院されました。
レントゲンで根の先端と、根の分岐部に病変が認められました。
被せ物と土台を除去し、内部の虫歯を除去すると、根の一部に穴が空いて出血している部分がありました(穿孔、パーフォレーションといいます)。また根に亀裂が入っているようにも見えました。この亀裂に沿って深い歯周ポケットがある場合は、抜歯適応となりますが、今回はポケットはありませんでした。
残っている歯質が少なく、破折、穿孔も認められる場合、通常抜歯を検討します。
この写真を患者さんにも見ていただき、治療方法の相談をしました。
①抜歯してインプラント
②抜歯してそのままにしておく
③顕微鏡を使用して穴が空いた所を修復して、歯を保存する
(延長ブリッジ、一本だけの入れ歯という選択肢もあるかもしれませんが、当院ではオススメしておりません)
今回は、メリットとデメリットを説明した上で、③歯を抜かずに残すことにしました。
メリット:上手くいけば数年間自分の歯を残すことができる、インプラントにするのを先延ばしにできる。
デメリット:長持ちはしない可能性が高い。場合によっては早期に(数ヶ月程度で)痛みや腫れが出て、結局抜歯になる可能性がある。その場合、治療にかけた費用と時間が無駄になる。
顕微鏡を使用し、古い薬を除去していくと、根の治療に使用する金属の器具が根の中で折れていました。破折した器具自体は悪いものではなく、除去する必要がないこともありますが、今回は根の先端に病変があるため除去が必要です。
破折したファイルを除去し、根管の消毒を行いました。
穿孔部はMTAセメントで封鎖しました。
次の来院時にセメントの硬化を確認し、根管充填を行いました。
しばらく仮歯で生活して頂き、痛みがないことを確認し、最終的な被せ物を装着しました。
元々残っている歯質が少なく、亀裂も入っているため、長持ちはしないかもしれません。ですが、インプラントはできない、やりたくないという場合や、少しでも長く自分の歯を使いたいといった場合には有効だと思います。
どの治療法にもメリットとデメリットがあり、どれが一番良いかは患者さんごとに違います。重要なのは、それぞれの治療のメリットとデメリットをきちんと説明し、患者さんに希望する治療を選んで頂くことだと考えています。
※顕微鏡を使用した穿孔部の封鎖や、破折器具の除去は保険適用外治療です(4〜8万円)
根管治療(隔壁とラバーダム )
40代女性
左上の第二小臼歯の痛みで来院されました。
レントゲンで根の先に病変があり、被せ物を外して根管治療を行うことになりました。
虫歯を除去したところ、歯肉と同じ高さくらいしか歯質が残っていません。
この状態で根の治療を行っても、唾液が混入してしまったり(口の中の細菌が原因で虫歯や根の先に病変ができます)、次回予約までの仮の蓋の厚みが確保できません(最低3mmの厚みが必要です)。
そこで、プラスチックで歯の周囲に壁を作り(隔壁といいます)、ラバーダム というゴムのシートを装着して治療を行っていきます。
元々入っていた古い薬を除去し、根管内を消毒していきます。
根管の入り口は2つでしたが、入り口のすぐ下で1つにつながっていました。汚れを確実に除去するために、超音波チップで削って入り口をつなげました。
消毒の薬を入れて、仮の蓋をしてこの日は終了です。
次回、痛みなどがなければ根管充填を行います。
根管治療が適切に行われていないと、綺麗で高価な被せ物を入れたとしても長持ちしません。
患者さんからはなかなか見えない部分ですが、橋本グリーン歯科ではできるだけ歯が長持ちするよう丁寧に行うことを心がけています。
その分、治療時間と回数はかかります。とにかく早く、安く済ませたい方には向かないかもしれません。
歯の神経の保存
10代女性
右上の奥歯がしみるということで来院されました。
歯と歯の間から虫歯が広がっており、虫歯を除去すると神経が露出しました。
通常、神経が露出した場合は神経をとる処置を行いますが、患者さんの年齢も若く、術前の痛みもそこまで強くはなかったため、ご両親とも相談し神経の保存を試みることとしました。
神経が露出した部分を消毒し、MTAセメントという特殊なセメントを使用して神経を保護します。
MTAセメントの上から、プラスチックで充填し、終了です。
歯と歯の間の虫歯は型とりをして銀歯にすることが多いですが、プラスチックで対応できる場合もあります。
治療後痛みが出る場合や、徐々に神経が死んでしまう場合もあるため、定期的にチェックが必要です。
治療回数1〜2回、治療時間約1時間
※MTAセメントによる歯髄の保存は保険適応外です。
費用:4万〜7万円
リスク:必ずしも神経が残せるとは限りません。治療後に痛みが生じた場合、改めて神経をとる処置が必要となります。その際は別途費用がかかります。
口腔内写真②
口腔内写真は治療前だけでなく、大がかりな治療を行なった際には治療途中や、治療終了時にも撮影しています。治療前の写真と比較して自分の受けた治療を確認していただけるので、治療に対する満足度も高くなると考えています。
この患者さんは、適合の悪くなった銀歯やプラスチックを、セラミックとダイレクトボンディング(自費のプラスチックによる充填)で治療しました。
治療期間:約10ヶ月
セラミッククラウン( 8~10万円 ):5本
セラミックインレー( 4~5万円 ):1本
ダイレクトボンディング ( 2~5万円 ):7本
治療のデメリット:セラミック、プラスチックが破折する可能性がある