親知らずの移植
60代女性
左下第一大臼歯の痛みと腫れで来院されました。
レントゲンで、根の周囲を囲む透過像が認められます。このような場合、歯根が破折していることが多いです。
今回も、被せ物と土台を除去したところ、破折が認められたので抜歯となりました。
抜歯後は通常、
・ブリッジ
・入れ歯
という選択肢がありますが、今回は上の親知らずが残っていたため、抜歯した部位に上の親知らずを移植するという治療法を提案させて頂きました。
抜歯後ある程度傷口が落ち着いた段階で、親知らずの移植を行いました。
移植直後はワイヤーで固定を行います。
移植後3週間程度で根管治療を行います。
この時点で少し骨が出来てきているように見えます。
根管治療後、仮歯でしばらく様子を見ます。
術後5ヶ月で、大分骨ができてきています。歯の揺れもほとんどありません。
今後最終的な被せ物を装着していく予定です。
親知らずが残っている場合、インプラントやブリッジにしなくても欠損部の治療が行える場合があります。
※親知らずの形態や、抜歯した部位の骨の状態により適応とならない場合もあります。
※当院では、親知らずの移植は保険適応外治療となります。
費用:10〜20万円
乳歯の虫歯治療
6歳の男の子
右下の乳臼歯の間に大きな虫歯がありました。
小児は唾液が多い上に、急に動いて削る器具で舌や頬粘膜を傷つけてしまう恐れがあるため、乳歯の (特に奥歯の)治療にはラバーダム防湿が必須です。
苦しそうにも見えますが、のどに水がたまらないため実際は楽に治療を受けて頂けます。治療中に寝てしまうお子さんも多いです。
虫歯除去後、かなり深めでしたが神経までは到達していなかったため、コンポジットレジンで充填しました。
今後は、虫歯にならないように定期的に健診を受けに来ていただきたいと思います。
息子に乳歯が生えてきました。
乳歯が生えてきたら、定期的に歯科医院でフッ素塗布を受けましょう。
また、虫歯の原因菌は周囲の大人から感染するので、箸や食器を分けることも大事です。
橋本グリーン歯科では、予防が一番重要と考えています。
根管治療
30代男性
右下奥歯の痛みで来院されました。
右下7番の被せ物と歯の間に虫歯があり、根尖病変が認められました。
被せ物を外したところ、内部で虫歯がかなり進行していました。
残っている歯が少なく、長持ちすることは期待できませんが、患者さんと相談し、抜歯せずに残していく事になりました。
唾液を排除するためにプラスチックで隔壁を立てて、ラバーダムを装着し根管内の消毒を行なっていきます。古くなった薬や汚れをマイクロスコープで確認しながら除去していきます。
今後、仮歯で様子を見て最終的な被せ物を作製していきます。
今回は抜歯をせずに歯を残す事にしましたが、長持ちしないから、抜歯してインプラントにするという選択肢もあります。どの治療法にもメリットとデメリットがあり、どれが一番良いかは患者さんごとに違います。重要なのは、それぞれの治療のメリットとデメリットをきちんと説明し、患者さんに希望する治療を選んで頂くことだと考えています。
前歯の変色に対する治療
30代女性
右上前歯の変色が気になるということで来院されました。
10年以上前に神経の治療を行なったそうです。
レントゲンで、根の先に病変はありませんが、根管に詰めてある薬が隙間があるようにも見えるので、根の治療からやり直す事にしました。
根管治療後に歯の漂白(ウォーキングブリーチ)を行いました。歯頚部の変色が強く、通常よりも回数はかかりましたが、1ヶ月半程度で隣と同程度まで白くなりました。
歯の変色の治療は、削って被せ物にする方法もありますが、今回はできるだけ自分の歯を削らずに残す方法を選択しました。
歯質が薄くなっている部分もあり、将来歯が大きく欠けたりした場合には削って被せ物にしますと説明しています。
歯が重なっている部分は虫歯や歯周病になるリスクが高いため、矯正治療で歯並びも綺麗に治すことを提案させていただきました。
ウォーキングブリーチ:3万円 / 本
注意点:漂白の効果には個人差があります。効果が十分に得られない場合は削る治療を選択する場合もあります。経年的に、歯の色が後戻りする傾向があります。
ダイレクトボンディング
30代女性
左下456番の間に虫歯がありました。
患者さんは、白い詰め物を希望されました。
セラミックインレーで修復する方法もありますが、できるだけ歯を削りたくないとのことで、ダイレクトボンディングを行うことにしました。
唾液や湿度から治療部位を保護するため、ラバーダム防湿を行い充填していきます。
虫歯を確実に取り除きつつ、歯を削る量は最小限を目指します。
虫歯を除去後、できるだけ段差のないように充填していきます。
セラミックよりも削る量を少なく、セラミックと同じくらい綺麗に治療できたと思います。
歯は治療できる回数に制限があります。数回治療を行うと神経を取らないといけなくなり、さらに数回治療を行うと抜歯になってしまいます。
できるだけ自分の歯を削らずに、精度の高い治療を行うことが歯を長持ちさせるために重要だと考えています。
※ダイレクトボンディングは保険適応外治療です。
2〜5万円/本(充填する範囲や、隣接面を含むかどうかで費用が異なります。)
<セラミックインレーと比較した利点>
・歯を削る量が少ない
・1回の治療で詰めることができる(後日、研磨に来院していただく必要があります)
<欠点>
・長い時間(30〜60分程度)口を開けている必要があります(開口を補助する器具を使います)。
・経年的に変色、着色が生じます。
できるだけ歯を抜かない治療(歯冠長延長術)
40代男性
初診時、左下奥歯の被せ物の下で虫歯が進行していました。
被せ物を外すと、内部で虫歯がかなり進行しており、残っている歯は歯茎の中に埋もれている状態でした。
通常、この様な状態では歯を残すことができないので、抜歯を選択します。今回も抜歯を提案致しましたが、患者さんから何とか残したいという希望があり、「歯冠長延長術(クラウンレングス二ング)」という方法を提案させて頂きました。
歯茎を切開、剥離して健康な歯質が確保できるまで周囲の骨を削合します。
縫合します。
歯茎の治癒を待つ間に根管治療を行いました(3ヶ月程度治癒を待ちます)。
通常、歯冠長延長術の前に根管治療を行いますが、今回は虫歯が深すぎて術前に根管治療を行える状態ではなかったため、術後に行いました。
術後約3ヶ月で歯肉の状態は完璧とは言えませんが、何とか被せ物を作製できる状態まできました。
根の先に病変もあり、経過観察が必要です。
今回のケースでは、抜歯をしてインプラントにするのが理想的かもしれません。しかし、様々な理由でインプラント治療が行えない場合や入れ歯にしたくない場合は、この様にできるだけ自分の歯を残す治療もあります。
<注意点>
今回のケースは残存歯質が少なく、長持ちは期待できません。患者さんには目標2年、5年持てばラッキーくらいに考えてくださいと説明し、了承していただいた上で処置を行っています。
早期に(数ヶ月程度で)歯の破折などにより、抜歯となる可能性があります。その場合、治療にかけた費用と期間が無駄になる可能性があります。
※歯冠長延長術は保険適応外治療です(4〜8万円、本数・部位により費用が異なります)。
橋本グリーン歯科では、できるだけ自分の歯を長く使える様な治療を心がけています。歯のことでお困りの場合はぜひ一度ご相談ください。
ダイレクトボンディング
20代女性
奥歯の詰め物が古くなったので、きれいにしたいと来院されました。
ダイレクトボンディングという治療法で、出来るだけ天然歯に近づけるように治療を行いました。
唾液や呼気を排除するために、ラバーダム防湿を行い充填していきます(出来るだけ乾燥した状態で充填した方が、変色や歯との境目の着色が起きにくいです)。
セラミックより歯を削らずに、セラミックと同じくらいきれいに治療することを目指しています。
※ダイレクトボンディングは保険適応外治療です。
2〜5万円/本(充填する範囲や、隣接面を含むかどうかで費用が異なります。)